釈迦内

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釈迦内guest

「釈迦内柩唄」メッセージ

苦闘の果ての真実の世界

「納棺夫日記」著者
青木 新門

 現代文明は、死から眼をそむけて生にのみ価値を認めて、それをいかに合理的にシステム化していくか、という考え方で成り立っている。そうした社会にあっては、仏教の説く生死一如の真実や共生の思想など容易に受け入れられない。
 死は必然であるにもかかわらず人は死を受け入れようとしない。大概の人は、死を恐れ忌み嫌い、死から眼をそむけて生きている。その眼が集まると、やがて差別やいじめを生む社会が形成される。『釈迦内柩唄』の火葬の仕事を親から引き継いだ娘ふじ子も、そんな世間の白い眼を一身に浴びて苦悩する。しかし怒り狂い、のたうちまわった末にたどり着いた世界は、無碍の光明の射す真実の世界であった。それはまた安心の境地でもあった。薮内ふじ子の苦闘の道のりは、私が納棺夫として辿った道程でもあった。
 多くの人にぜひ観てもらいたい作品である。