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出会い

希望舞台の出会い

土の香りのせんせい

群馬県富岡市

 八月、冷夏のせいもあって、蝉の声はまだ聞こえない。私と高橋と小泉真穂の三人で、秋の公演地を求めて、山梨県甲府市小川先生の家に向かった。
 小川先生ご夫妻と希望舞台の由井代表とは信州大学からの知り合いで、私たちも親しくお付き合いをさせていただいている。
 山梨県の峡南病院の院長先生である小川先生の一日は大変忙しい。その忙しいさなか逢ってもらった。
 懐かしい話で場が盛り上がる。奥様の料理は大変美味しいので小泉は、初対面ということもあって、笑みを浮かべてブリッコをしながら手の動きは速い。(さすがだ)一方、高橋は次から次へと出てくる日本酒、ビール、洋酒を、明日はないという勢いで飲み続ける。もちろん会話は弾んだ。
 そこで分かったことは、陽子奥様は、信州大演劇部のマドンナだったということと、群馬県の富岡市に信州大学からの友人で、今でもご夫妻と一緒に山登りをしている仲間がいるということだ。

 名前は藤巻光夫先生、高校の先生である。藤巻先生とお会いしたときすぐ思ったのが、「宮沢賢治」。何故か土のにおいと、文学の香りがした。また、お名前もそう漂わせるお名前だった。そう思いながら話していくと、先生ご自身も宮沢賢治の生き方がお好きで、今は里山作りに燃えている。この仕事も決して一人では出来る仕事ではないので、いろいろな人たちと力を合わせてやっているようだ。
 優しくて、ユニークで、相手を思いやる心はだれにも負けない素敵な先生であります。二人でコーヒーを飲みながら話していると「先生お元気ですか」と四十際代の立派な男性が声をかけてきた。先生は「おお、元気か今何している」と気さくにあいさつを交わす。この四十歳代の男性は、先生の教え子で、高校を中途退学したのだと聞いた。教え子に声をかけられる先生・・・・こんな先生が日本中にたくさんいるといいなぁ。土の匂いのする先生・・・。こんな出会いはなかなかないのです。そして藤巻先生からスタートした富岡市公演は(ふじやんの味めぐり)でも紹介しています桜井さんを実行委員長にして四〇〇人以上のお客さまをお迎えして大成功をおさめました。

記・藤田 尚希(2004.01.01発行 つうしんNO.35より)