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出会い

希望舞台の出会い

まんざらでない明日

兵庫県三木市

 実行委員会をつくることが大変になった昨今だが、今回の発足式は今まで以上に不安の多い緊張する場であった。

 7年前「おばあちゃん」を取組み、ほんの少し届かなかった三木労音。若き事務局、平位実千代さんと小巻健さん。50年前、勤労者の中で『良い音楽をより安く』と拡がった音楽運動。最近はその存在を危ぶまれる程会員が減り、地域のコミュニティの中での活動は、ますます難しくなっていると言われてます。冗談で「希望舞台とどっちがさきになくなるかなぁ」などと笑って話していた。

 そして、西本公仁さんは兵庫県ではずいぶんお世話になった部落解放同盟の三木市支部連絡協議会の事務局長。前田康房さんは三木市自治労の書記長をされている頼れるお兄さんたちであった。人権尊重社会の推進、格差社会の是正など声なき声に応えているのだが、やはり健全な労働運動、組織活動は年々大変になってきているという。

 このメンバーを結び合わせたのが、今回の実行委員長、森田直道さん、超イケメンの浄土真宗本願寺派妙覚寺のご住職だ。まだ30代と若い。三田市でお世話になった中尾ご住職から紹介された森田さんだが、実は7年前の「おばあちゃん」公演の折、労音に遺されていた配券協力者名簿に、今は亡き父上が唯一僧侶として名前が記されていた。これは本当に偶然で当の森田さんも驚かれていた。
 そんなこともあり、「まぁ、とにかくやってみましょう」と会議は彼のお寺で開かれることになった。

 最初はお互い恐る恐るではあったが、「釈迦内柩唄」に秘められた願いや魅力を語り合う中で、自分たちの力で「釈迦内柩唄」を広めていく意味、この取り組みを通して新しい人間のつながりを広めていくことの大切さを確認し、それぞれの団体や組織の力は活用するが、その立場を超えて生身の人間同士の関係を、深めていく活動をしていきたいと、最後は時間を忘れ熱い語りあいになった。
 だが、お互いの活動する場では、まだまだ苦い顔をする人がいるかもしれないと、メンバーはこの若い5人に固定しようということになり、実行委員長はこのめぐり合わせを実現した住職が就くことになった。

 お互いが、得手とするところ、弱点といわれているところを補完しあう。西本さんたちが有馬さんの講演会を企画すれば、平位さんたちは仏教の講演会を開く、そして互いがそれの協力をしていく。また、お互いの健康に気を使う話から始まり、それぞれの個人的な趣味のこと、仕事、社会的活動までが実行委員会で話され、旧知の友人の様に夜遅くまで話に花が咲いた。
 私は彼らが新しい扉を開いている様に感じた。お互い知らなかったこと、知らずにいたことに驚き、そして感心し共感し、ひとつのことを成し遂げた。今本当に大切なのは、理屈でなく生の人間同士の絆。それをもって公演成功に向かっていく姿は、とても感動的だった。
 公演当日、そんな方々が創った満席の劇場は、新鮮な風が吹き抜けていた。

 時代の移り変わりが、まんざらではない希望のもてる未来、明日もあることを予感させる公演だった。

記・米田 亘(2013.08.12発行 つうしんNO.52より)